高気密高断熱住宅で室内干しは出来るのか?

高気密高断熱住宅あるあるで、「室内干しするとよく乾きます!」という話を聞きます。
OBの声だったり、セールストークだったり。
これに関しては概ね事実なのですが、正しく理解していないまま室内干しをすると、湿度を上げるだけになってしまいます。
今回は高気密高断熱住宅での室内干しについて解説します。

本当に室内干しで乾くの?

目次

なぜ室内干しに需要があるのか?

室内干しの需要が増えた理由として、共働き世帯が増えたことなど、ライフスタイルの変化が原因と考えられます。
忙しい朝に洗濯をして、誰もいない昼間の軒先に干すのは、現代の日本においては難しいのかもしれません。
結果、時間の取りやすい夜間に洗濯をして、そのまま室内に干すことが多くなったように感じられます。
あるいは、花粉やPM2.5など健康被害を考えて、外に干さないと決めている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

これらのことから、洗濯物を室内で干す需要というのは増加しています。
室内干しのデメリットとしては臭い。生乾き臭ではないでしょうか?
それに関しても、部屋干し専用の洗剤なども開発されており、室内干しへの関心の高さがうかがえます。

室内干しで臭くなければ絶対便利だよね

換気方法による室内干しの違い

先ほども書きましたが、高気密高断熱住宅においては洗濯物を室内干ししても乾きやすくなっています。
ただし、何もしなくて乾くわけではなく、そこには正しい知識が必要となります。
また、換気方法によっても室内干しのポイントは変わってきます。

換気方法によって室内干しが変わるの?

第一種ダクト換気の場合

高気密高断熱には第一種のダクト換気という方も多いと思います。
ダクトによる全館空調で、家全体の温湿度をコントロールしやすい換気システムです。

第一種ダクト換気の場合は、温度湿度が調整されたフレッシュな空気が常に循環しています。
室内干しの部屋にフレッシュエアーの吹き出し口を設定しておけば、洗濯物が乾きやすくなります。
洗濯物の湿度を含んだ空気は、リターンのダクトから空調機へ戻されます。

大事なのは、室内干しスペースにフレッシュエアーの吹き出し口を設定すること。
そうすれば、最も効率よく洗濯物を乾かせるシステムになります。

第一種ダクトレス換気の場合

熱交換は重要ですが、今度はダクトを必要としない第一種換気の場合です。
壁付け換気扇の入りと出を一定時間で切り替えることで、エレメントに熱を蓄積するシステムです。
熱交換換気という点においては非常にコスパが良いのですが、室内干しをする場合には注意が必要です。

先ほどのダクト換気と違い、調湿機能はありません。※正確には、少しだけ湿度を調整しているが。
なので、室内干しをした湿気はエアコンや除湿器を使って取り除く必要があります。

また、ダクトレス換気の場合は気流がほとんど発生しません。
サーキュレーターや扇風機で空気を動かすことも必要になってきます。

お金が大丈夫ならダクト換気が優秀なんだね

ダクトレス換気の場合は注意が必要

温度湿度を集中管理するダクト換気の場合は、室内干しスペースを設定してフレッシュエアーの吹き出し口を持ってくれば問題ありません。
問題はダクトレス換気の場合です。

ダクトレス換気には、基本的に調湿効果はありません。
室内干しで溜まった湿気は、エアコンや除湿器で取り除く必要があります。
室内干しスペースにはエアコンか除湿器を必ず設置するようにしましょう。

湿度を下げるには除湿器か冷房しか無いんだね

界隈で定評のあるコロナの除湿器

我が家もコロナの除湿器を使っていますが、夏場だと4.5Lタンクが1日でいっぱいになることもあります。
5月ぐらいで2時間まわして1Lぐらいでしょうか。
室内干ししなくても湿度70%超える時もあるので、除湿器は躊躇なくまわしています。

2時間ぐらい除湿したタンク

コロナの除湿器はホースを接続して連続排水することも可能です。
タンク容量を気にせず、ガンガン除湿したい方にはおすすめです。

連続排水できると何かと便利だね

室内干しは空気を動かすこと

室内干しにおいて、もっとも忘れてはならないのが空気を動かすこと。
除湿器で不要な湿気を除去しても、洗濯物周辺が湿度100%に近ければ乾きません。
空気を動かすことで、洗濯物が乾くスピードは格段に向上します。
乾くスピードが速ければ、生乾き臭も軽減されるので何らかの方法で空気を動かしましょう。

そうか、室内では空気を動かす必要があるんだね。

ダクト換気の場合はフレッシュエアーの吹き出しにより気流が生まれます。
それに対してダクトレス換気の場合は、ほとんど気流が無いので室内干しの際には意図的に気流を作る必要があります。
気流を作る、つまり風を起こすこと。
風さえ起きればどんな方法でもかまいません。
サーキュレーターでもいいですし、扇風機でも問題ありません。

湿度100%に近い空気を吹き飛ばし、除湿した60%程度の空気を当ててあげる。
考えれば簡単なことですが、なかなか実行していない人も多いように感じます。

実際どうなのか?

我が家は実際に室内干しをしています。
6畳の子供部屋を室内干しスペースとして使っており、部屋の長手一面にずらり+αで家族4人分を干しています。

平常時は湿度60%程度なのですが、さすがに室内干しをすると70%以上に跳ね上がります。
そこで、先ほども紹介した除湿器を50%設定で2時間程度動かしています。
合わせて扇風機を中速で4時間タイマーにすることで、寝る前に干して朝には十分乾いています。

さすがにパーカーなどの厚手のものは乾きにくいのですが、それ以外は特に問題ありません。

パーカーの乾かし方は永遠の課題

まとめ

高気密高断熱住宅で室内干しをする場合、換気方法によって対策が異なります。
ダクト式換気の場合は、室内干しスペースにフレッシュエアーが噴き出すようにしましょう。
調湿機能がほとんどないダクトレス換気の場合は、除湿器やエアコンによる湿度の除去が必要です。
また、空気が動かなければ乾きませんので、扇風機やサーキュレーターで気流を作るようにしましょう。

高気密高断熱住宅は湿度のコントロールに優れているため、正しく除湿器を使えば大きな効果が得られます。
一般的な住宅よりも室内干しが乾きやすいのは確かです。
何でもそうですが、間違った使い方をすれば逆効果なので、そこだけ忘れないようにしましょう。

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