家づくりは「憧れ」と「現実」のバランス:Instagramに影響されすぎないために

マイホームを考え始めると、まず目にするのがInstagramなどのSNS。美しく整った空間やこだわりの間取りを見て、「こんな家に住みたい」と夢が広がりますよね。
SNSは家づくりのヒントを得るには便利ですが、そこに載っている理想をそのまま詰め込もうとすると、かえって住みにくい家になってしまうこともあります。

今回は、SNSを参考にしながらも、現実的な家づくりをするための考え方や、設計士との向き合い方についてお伝えします。
間取り迷子の方は必見です!

目次

SNSは「憧れの宝庫」だけど「生活のリアル」は見えにくい

Instagramには、まるでモデルルームのような写真が並びます。無垢材の床に北欧風の家具、余白のある空間に差し込む自然光…。見ているだけで心が躍ります。
しかし、それらの投稿は「一瞬の切り取り」であることを忘れてはいけません。

  • 実際の生活では、モノが増えたり、動線が複雑になったりすることもあります。
  • 写真映えを意識した間取りやインテリアは、使い勝手やメンテナンス性が犠牲になっていることも。
  • 投稿者のライフスタイルや家族構成が、自分たちとは異なる可能性も高いです。

例えば、子どもがいる家庭では、収納の量や配置が非常に重要になります。
SNSで見た「見せる収納」はおしゃれですが、実際には片付けが大変で、日々の生活にストレスを感じることも。
また、広々としたリビングに憧れて壁を減らした結果、音が響きすぎて落ち着かない空間になってしまった…というケースもあります。

つまり、SNSで見た「理想の家」は、あなたの「暮らしやすい家」とは限らないのです。
見た目の美しさだけでなく、実際の生活にどうフィットするかを冷静に見極めることが大切です。

要望を詰め込みすぎると、間取りそのものが破綻することも

家づくりを進める中で、「この収納も欲しい」「書斎も欲しい」「ランドリールームも欲しい」と、理想がどんどん膨らんでいくのは自然な流れです。特にSNSで見た素敵なアイデアを取り入れたくなる気持ちはよくわかります。

しかし、あれもこれもと要望を詰め込もうとすると、間取りそのものが成立しなくなることがあります。

  • 限られた敷地や建物の面積の中で、すべての要望を叶えようとすると、空間の配置が無理矢理になり、動線が破綻する
  • 必要な広さを確保できず、各部屋が窮屈になったり、使い勝手が悪くなる
  • 採光や通風といった基本的な住宅性能が犠牲になる
  • 建築基準法や構造上の制約に抵触する可能性も

例えば、南向きのリビングを確保したいけれど、同時に北側に広いランドリールームを設けたい、さらに中庭も欲しい…となると、敷地条件によってはどれかを諦めなければならないこともあります。
無理にすべてを詰め込もうとすると、結果的にどの空間も中途半端になり、暮らしにくい家になってしまうのです。

家づくりをパズルのように空間を組み合わせる作業と考えていませんか?
一つの要望を叶えることで、他の要素にしわ寄せが生じることもあります。
だからこそ、「本当に必要なものは何か?」を見極め、優先順位をつけることが重要です。

設計士の意見を聞きながら、現実的な間取りの中で、暮らしやすさと理想のバランスを取ることが、満足度の高い家づくりにつながります。

設計士の意見を聞くことが、理想と現実のバランスを取る鍵

理想の家を実現するためには、設計士とのコミュニケーションが欠かせません。
設計士は、あなたの要望をただ形にするだけでなく、生活動線や構造、安全性、コストなどを総合的に判断して、最適な提案をしてくれるプロです。

設計士の意見をよく聞くことで、以下のようなメリットがあります。

  • 要望の優先順位を整理できる
  • 暮らしやすさを重視した間取りになる
  • 将来のライフスタイルの変化にも対応できる設計になる
  • 無理のない予算内で、満足度の高い家づくりができる

設計士は、あなたの「理想」を「現実」に落とし込む翻訳者のような存在です。
例えば、「開放感のあるリビングが欲しい」という要望に対して、天井高や窓の配置、照明計画などを工夫して、限られた空間でも広く感じられる設計を提案してくれます。

また、設計士は第三者の視点で冷静に判断してくれる存在でもあります。
家族の希望がバラバラになってしまったとき、優先順位を整理し、全体のバランスを取る役割も担ってくれます。

もちろん、すべてを設計士任せにする必要はありません。
自分たちの理想やこだわりをしっかり伝えた上で、設計士と一緒に「落としどころ」を探ることが、後悔のない家づくりにつながります。

「憧れ」を「暮らし」に変えるために

SNSは、家づくりのヒントを得るための素晴らしいツールです。
自分の好みや理想を明確にするためにも、たくさんの事例を見ることはとても有意義です。実際に「このアイデアは使える」「この収納の配置は便利そう」といった気づきが得られることも多いでしょう。

ただし、それらをすべて実現しようとするのではなく、「自分たちの暮らしに合うか?」という視点を持つことが大切です。
そして、設計士の知識と経験を活かしながら、理想と現実のバランスを取った家づくりを目指しましょう。

マイホームは、人生の大きな節目であり、長く付き合っていく場所です。
だからこそ、見た目だけでなく、心地よさや使いやすさを大切にしたいですね。

まとめ

InstagramをはじめとするSNSは、情報収集には大変役に立ちます。
ただ、見栄えのする切り取られた情報は、憧れても冷静な判断を欠くことがあります。
必要な情報を取捨選択する必要があります。

家づくりは、情報収集・要望整理・設計士との対話という「三つの柱」が揃ってこそ、満足度の高いものになります。
どんな設計士であれ、少なくともあなたよりは住宅に関する経験値があります。
Instagramで見た憧れの空間を、あなたらしい暮らしに落とし込むために、ぜひ設計士との対話を大切にしてください。

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