TOTOのユニットバスの特徴である『ほっカラリ床』について。
住み始めて4年たった今、ユーザー目線でレビューをしたいと思います。
メリットが目立ちがちですが、実際に使ってみてのデメリットもお伝えしたいです。
その他にも、ユニットバス全体の「こうしておけばよかった」というポイントを記載しますので、採用のご参考にしてください。
ほっカラリ床とは?
「ほっカラリ床」とはTOTOの商品で、浴室の冷たさ・すべり・掃除の悩みを解消し、快適なバスタイムを叶える高機能床材です。
2014年発売で、クッション性のある柔らかい浴室床材というのが画期的でした。
そこから改良を重ね、現在でもオンリーワンの人気商品となっています。
1.冬でも冷たくない!断熱構造で快適な足元
断熱クッション層と断熱床パンにより、冬場でも「ヒヤッ」としない快適な床。
寒い季節の入浴もストレスフリーです。
2.やわらかい床で膝にやさしい
畳のようなクッション性があり、膝をついても痛くない設計。
小さなお子様や高齢者にも安心して使えるやさしさが魅力です。
3.すべりにくい安全設計で転倒リスクを軽減
特殊加工により濡れていても足裏にしっかりフィット。
浴室内の安全性を高め、家族みんなが安心して使えます。
4.すぐ乾くからカビ・ぬめり対策に効果的
親水性のある表面加工で水が広がりやすく、入浴後すぐに乾燥。
カビの発生を抑え、清潔な浴室環境を保てます。
5.掃除がラク!汚れが落ちやすい素材
汚れがつきにくく、軽くこするだけでスルッと落ちるので、毎日の掃除が時短に。
忙しい家庭にもぴったりです。
ほっカラリ床を使ってみて
我が家は2021年竣工。
セレクトした浴室はTOTOのサザナです。もちろん『ほっカラリ床』を採用しています。
やわらかい素材で足への負担も少なく、浴室特有の素足でヒヤッとする感覚もありません。
このあたりは予定通りで、大変満足しています。
やわらかい素材ということで汚れの付きやすさを心配していましたが、床面の清掃性については他の素材とそれほど変わらないかなと思います。
ただし、汚れるのは汚れますよ。
ピンク汚れやヌメリなどは、他のユニットバスと同じように発生します。当たり前ですが、掃除は必要です。
それよりも、壁と床とのつなぎ目がどうしても汚れてしまい、清掃するのも困難となっています。
床と壁のつなぎ目がコーキング
『ほっカラリ床』がやわらかな素材であるため、他のメーカーと決定的に違う点があります。
それが、床と壁のつなぎ目です。

床と壁の素材が隅角部で切り替わっており、そこの防水処理でコーキングを使用しています。
このコーキングにカビが生えやすく、また掃除もしにくいため黒ずみが蓄積されていきます。

このようにコーキングが床の溝に沿ってわずかに凹むので、その部分に黒カビが生えやすくなります。
コーキングは柔らかいので、強くこすりすぎると防水に影響がある可能性もあります。
定期的にハイターなどを使用する以外に対処法がありません。
ちなみに他のメーカーだと、角からわずかでも立ち上がりを作ってつなぎ目を処理しています。
そのほうが、汚れも付きにくく防水面でもメリットがあります。
とは言っても、ほっカラリ床が水漏れするかと言えばそうではないのでご安心ください。
ただ、汚れが付きやすく掃除がしにくい。それだけです。

こうすればよかった!後悔ポイント
ほっカラリ床はデメリットもありますが、概ね満足しています。
浴室をTOTOにするなら『ほっカラリ床』1択でいいでしょう。
ほっカラリ床にしないなら、他のメーカーでいいと思います。
ここからはTOTOに限らず、「次はこうする!」というポイントをお伝えします。
少々(かなり)汚い画像も出てくるので、気になる方はサッと飛ばしてみてください。
1.カウンターは不要!もしくは、取り外せるものがいい!

使用するシャンプーを置いたり、顔を洗ったりするのにカウンターは非常に便利。
ですが、掃除がしにくい!
一応、掃除に配慮して壁から離れた造りになっていますが、そこにも汚れが溜まるのです。

最近では着脱可能なカウンターも出てきているので、必要な方はそういったものを選ばれるほうが清掃性は高いです。
もしくは、カウンター無しという選択もでき、これならどのメーカーでも対応可能です。
我が家は固定式なので、見えないところにも知らない間に汚れが溜まります。

2.鏡が必要ならマグネット式に
私は浴室で髭を剃るので、鏡は必須なのです。
ですが、固定式の鏡は裏側に隙間が発生します。

当然ながら、この隙間は掃除ができません。
見えないだけで、水も通るので汚れが発生していきます。
なぜこの部分が改善されないのかが謎ですが。
最近では鏡もマグネットで脱着できるタイプが出ており、メーカーオプションになくてもネットなどでも購入可能です。
鏡を取り外して掃除ができれば、どんなに気持ちがいいか。

3.ボトルラック、棚類もマグネットで!
シャンプーを置くボトルラック等の棚類も、清掃性を妨げる要因。
ただ、無いと困ることもあるので、こちらもマグネット式にするべきですね。
ボトル自体がマグネット式のものもあり、ある程度プッシュに耐えられるものもあります。
壁に付けるものは極力マグネット式で脱着できるようにしたほうが、掃除のストレスがぐっと減りますよ。

4.風呂フタはいらない!
お風呂の保温用で風呂フタを付けていますが、ほぼ使ったことがありません。
ずっと壁に掛けているだけなので、カビるだけです。
家族構成にもよりますが、連続してお風呂に入るなら風呂フタはいりません。
少し時間が空くとしても、給湯器の保温機能で温度は保たれます。
長時間空くようであれば、いっそのことお湯を入れなおすか、シャワーにしてもらったほうが経済的にもメリットがあります。
ライフスタイルにもよりますが、現代ではほとんどの家庭で風呂フタが無くても問題ないと思います。
5.清掃性なら開きドア
我が家の浴室の入り口は引き戸(横スライド)を採用しています。
開口が広く、出入りがしやすいためです。
ただ、デメリットとして床レールが汚れやすく、掃除にも歯ブラシを使ったりと手間がかかります。
引き戸である以上、どうしても汚れやすい構造になってしまうのです。

清掃性の面からは開き戸(スイングドア)のほうが、凹凸が少なく掃除がしやすいと思います。
ただ、これに関しては使い勝手との天秤になりますので、高齢化した将来のリフォームでは、やっぱり引き戸を選ぶと思います。
まとめ
TOTOの『ほっカラリ床』は壁との取り合いにコーキングを使用しているため、黒カビなどの汚れが付きやすいです。
清掃性と質感などを天秤にかけて、採用するかを検討してください。
私が設計させていただいたお客様は、TOTOにしたいけど『ほっカラリ床』を採用しませんでした。
TOTOのショールームその旨伝えたときに、「TOTOにする意味ありますか?」と言われたそうです。
TOTOが好きならそれでいいと思いますが、確かに『ほっカラリ床』でなければTOTOにする必要はないのかもしれません。
それ以外にも、壁面設備は可能な限りマグネット式などの脱着可能なものにしましょう。
お掃除が劇的に変わります。
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