高気密高断熱住宅の真価は健康面にアリ!省エネだけじゃない本当の価値を知る

高気密高断熱住宅は省エネなんでしょ!
って思っている方、それだけじゃないんです。
むしろ健康面にこそ高気密高断熱住宅の本当の価値があると思っています。
この記事では、高気密高断熱住宅がもたらす健康面のメリットについて解説します。

目次

室内の温度が一定

高気密高断熱住宅における最大の利点は、室内の温度を一定に保ちやすいこと。
少ないエネルギーで夏も冬も20~25℃ぐらいをキープ。
北側の部屋も廊下もトイレも、3℃以内の温度差で生活できます。
この室内の温度差が少ないことで、ヒートショックによる死亡リスクを減らすことができるのです。

ヒートショックって聞いたことあるけど・・・

ヒートショックとは、急激な温度変化によって引き起こされる症状。
血圧が変動し、血管や心臓に負担をかけることになります。
心筋梗塞や脳卒中の原因であり、入浴中に亡くなる方が全国で1万4000人以上とも言われています。
高齢者ほど注意が必要です。

冬のリビングは暖房をしているので暖かいですよね。
例えばリビングを25℃として、お風呂へ行くために10℃の脱衣場で服を脱ぎます。
そしてお風呂のお湯につかって40℃です。

このように温度変化が大きいと、ヒートショックを起こす原因になると言われています。
ヒートショックの対策として、一般的には浴室や脱衣室を暖房で暖めておくといいそうです。
そのための浴室暖房機などもあるのですが、高気密高断熱であればその必要も無し。
トイレも寝室も家中どこでも同じ温度なのです。

家中丸ごとヒートショックのリスクが減るんだね

室温18℃以上が病気を防ぐポイント

東洋医学に『未病』という言葉があります。
病気にいたる前の状態。発症する前に防ぎましょう!という考え。

先ほどのヒートショックの話では温度差が元凶のように書きましたが、実は低温であること自体が問題なのです。
イギリスでは16℃以下になると健康上のリスクが高まるとされ21℃以上を推奨。
WHOも『住まいと健康に関するガイドライン』で推奨最低室温を18℃以上としています。
これらのことから、低温は健康被害につながることを認識できると思います。

寒い家でいいことは何もないね

冬は服を着こめば大丈夫。というものでもありません。
服を脱いだり手で振れたり、低温に触れる機会を極力減らすことで血圧の急激な変化を防ぎます。
これらの話は高齢者だけでなく、室温と血圧の因果関係は30代からあらわれるそうです。
室温を高くすることで風邪をひきにくく、持病が改善するといった研究結果も出ています。

室温と血圧の関係
出典:「スマートウェルネス住宅等推進事業」資料

室温を暖かく保つことで健康リスクは改善されます。
最近では人生100年時代とも言われていますが、長生きすることが幸せとも限りません。
健康であり続けることが重要であり、健康寿命を延ばす意識が大切です。

室温と健康寿命の関係
出典:日本建築学会環境系論文集, Vol.81, No.729, 2016.11

65歳まで働いて、旅行に行ったり楽しく過ごせる時間が数年しかないのでは悲しいことです。
健康に生き続けるための高気密高断熱住宅と考えれば、安い買い物なのかもしれません。

健康であることが一番だね

結露による健康被害を減らす

高気密高断熱住宅のメリットとしてわかりやすいのが、結露が無くなること。
アパートに住んでいたころは、冬の朝は窓ガラスがビッショリでした。
その結露から解放されるのが大きな利点です。
厳密には結露リスクが減るというのが正しく、室内環境によっては結露がわずかに出る場合があります。

結露は水分であり、湿ったところにはカビやダニが繁殖します。
これらがシックハウスやアレルギーの原因になると言われています。

結露が健康に影響するんだね

窓の結露は頑張って拭けば何とかなるかもしれません。
問題は見えない所で発生する結露です。

リフォーム工事をしていると、壁の中がカビで真っ黒ということがよくあります。
これは壁の断熱・気密の性能が低いために起こります。
壁の中に流入した暖かく湿った空気が、冷たい物質に触れることで発生します。

結露は寒い冬にだけ起こるものではありません。
夏の暑く湿った空気が、冷房で冷やされた室内側の壁に触れることで結露が発生します。
これを夏型結露といいます。

このように見えない壁の中で結露が発生すると、住んでいる人が気付かず対策することもできません。
結露水は断熱材を濡らし、カビの温床となってしまいます。
濡れた断熱材は重みで下がり、壁の結露はより進行します。

見えない結露が一番怖いね

高気密高断熱住宅は壁内の結露リスクを抑えることができます。
ですが、忘れてはいけないのが断熱・気密の施工性。
断熱材が厚く気密測定をクリアーしても、一部分だけ施工が悪ければ結露の原因となります。
施工実績や検査体制がしっかりした工務店を選ぶことも重要です。

医療費が削減できるので家計にもやさしい

ヒートショックのリスクを少なくし、病気を未然に防ぐことで健康寿命を延ばす。
高気密高断熱住宅が健康に良い影響を与えるのは間違いありません。
「そんな家に住んでいたら体が弱る」
なんてことを言う人もいますが、体へのストレスを減らすことが健康に直結します。

体感すれば考えも変わるよね

そんな健康面にもメリットのある高気密高断熱住宅。
結果として医療費を減らすことにもつながるのは、何となく気付いたかもしれませんね。
高気密高断熱住宅に住むと、一般的な家庭の医療費は30年で90万円も下がるというデータもあります。
なにより、突発的な病気による医療費は家計に大きな影響を与えかねません。

これからの日本は超高齢化社会とも言われ、医療費の増大は国としても無視できない問題です。
高気密高断熱住宅の普及させることで、医療費を2兆円程度削減できるという試算もあります。
省エネ・脱炭素・医療費削減
国が高気密高断熱住宅を推進する理由は十分にあります。
このような側面からも、選ぶ住宅を考えたいですね。

個人だけでなく国にもメリットがあるんだね

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